倒立虚像

身支度をして散歩に出た

きれいな景色を眺めたかったから

ひとりで

 

湖を見ていると澄みきった気持ちになれるのは

そういうものだと錯覚しているからで

水面に映るぼくは

濁っていた

これもまた錯覚で

顔を上げたぼくは

太陽の眩しさに目をつむり

 

海辺を歩く夢を見た